このブログを読んでくれている方の多くは、消防職員もしくは消防士を目指す若者が多いです。
その中でとりわけ筋トレ好きの人が多いです。
そうなると必然的に『救助隊』にも憧れを持つ方が多いと思います。
そこで今回は救助隊すなわちレスキュー隊についてご紹介いたします。
この記事の目次
そもそも『レスキュー隊』とは!?
レスキュー隊とは正式名称を「特別救助隊」といいます。
消防士の現場職には、大きく3つの部署があります。
東京や大阪、また愛知県では名古屋市では、『特別救助隊』があり、通称ハイパーレスキューと呼ばれております。
救助隊は各市の消防署に配置されており、火災現場・交通事故などの現場では『人命救助』を最優先に活動いたします。
そのため『要救助者』がいる場合は、真っ先にその検索・救助活動を行います。
通常の『消防隊』は『消火活動』を行い、救助が進入・探索できるようにポンプ車から『放水』を行い、支援します。
救急隊は消防現場で要救助がいる場合、救助活動をレスキュー隊が行なった後、その怪我の処置と病院への搬送を実施します。
まあ消防現場の活動業務は、『要救助者の有無』『消防隊・救助隊が同時に到着できるか否か』など
様々な要因に左右されるため、どの隊が絶対これをしなければならない!
ということは一概には言えませんが、最優先はもちろん『人命救助』であるため、そこを基軸に活動いたします。
【レスキュー】救助隊は通称『オレンジ』と呼ばれる
通常、消防職員の多くは『青』の服をきております。
しかし、レスキュー隊の勤務服は『オレンジ色の救助服』になります。
そのためレスキュー隊は『オレンジ』とも呼ばれております。
通常の消防隊からさらにその能力と専門性でオレンジ服に身を包む。
この特別感が多くの憧れを生み出しているのです。
消防官の中でも選りすぐりの体力・技能・知識を持った隊員で構成されており、通常の救助活動だけでなく、水難救助隊や山岳救助隊を行なっていたりもします。
これは自治体の規模やその土地柄などの特徴によって異なります。
特に消防漫画の金字塔『め組の大吾』を読んで、消防士になりたい方も多くいます。(私が消防士になった10年ほど前はマジで結構多かったです。)
め組の大吾|特に救助隊を目指す時の訓練が熱い!!
どうすれば救助隊(レスキュー隊)になれるの!?
当たり前かもしれませんが、まずは消防士になる必要があります。
救助隊は消防職員という枠組みの中にあるためです。
消防士になるためには『希望の勤務地の公務員試験』を受ける必要があります。
試験対策みたいなのは、本で勉強するか予備校に通うか私自身の試験対策なんかも参考にしてください。
意外とあっさりなれる救助隊
消防職員になると、現場勤務では
- 消防隊
- 救急隊
- 救助隊
3つの部署があります。
配属されたばかりの時は、ほぼ『消防隊』に配属されます。
で、毎年『異動』がありますが、そこで『救助隊』に配属されれば『救助隊』になれます。
実はそれだけなんです。
地方自治体によっては希望の勤務地や希望の部署の願いも出せたりしますが、概ね翌年の異動に関しては『人事係』が決めております。
ので、その采配に従うしかありません。
救助隊(レスキュー隊)に必要な体力
ロープワークをはじめとする救助技術などに関しては、その勤務地や消防学校の救助課程などでしっかり体得すればよいでしょう。
体力そのものは日頃から錬成しておく必要があります。
上記写真は東京消防庁のハイパーレスキュー隊の選抜試験で行われる基礎体力のレベルになります。
- 腹筋:1分50回以上
- 反復横跳び:20秒40回
- 懸垂:3秒に1回15回以上
- 腕立て伏せ:60回以上
特に日常トレーニングしてない方にとってはすごい数字に感じられるかもしれませんが、消防士を目指している方からするとそこまで難しい内容ではありません。
まあ上記の項目は最低限のレベルですので、そこからさらに上のレベルを目指して日頃から体力錬成をしておくべきでしょう。
このブログでは、消防士向けの各種トレーニング方法を紹介しておりますので、ぜひそちらをご覧ください。
東京消防庁の訓練
上記は東京消防庁のハイパーレスキュー隊の研修を記録した映像になります。
実際の訓練ではただ単純な体力だけでなく、教官から鬼のように追い込まれます。
それは体力面・精神面・技術面においていろんな負荷をかけてきますので、かなり厳しいです。
見ているだけでもその辛さが伝わってきますが、実際にその現場で研修を受けるとその何倍も辛いものです。
【能力と知識】救助隊の扱う資機材
救助活動を行うためには、ただ体力があるだけではできません。
火災や交通事故などの災害は、言ってみれば『人外の力』が働いているため、相応の資機材を持って対応しなければなりません。
- ドアが変形して解放できない
- 瓦礫で塞がれて先に進めない
などそういった問題を解決するためには救助工作車に積載されている高度な救助資機材を持って対応する必要があります。
そのため救助隊では、自分の乗る救助工作車にどんな資機材が乗っていて、それを自由自在に扱いこなすこと。
さらに多様な現場活動において、瞬時に判断し、対応する知識・技術・判断力がいります。
ここに消防は走りながら考えると言われる所以があります。
また救助資機材はとても重たく、扱いにくいため、相応の体力も必要になるのです。
【まとめ】憧れの救助隊になるために
というわけで消防士の救助隊についてご紹介させていただきました。
救助隊になるためには消防士になり、そこから救助隊に配属される必要があります。
私が所属していた消防署でも、救助隊希望の人でもなかなか救助隊になれなかったり、逆に全く希望していない人でも救助隊になってしまった人もいます。
こればかりは人事の采配なのでなんともいえませんが、もし救助隊になりたいのであれば、自分なりにできる準備とその熱意を職場に伝え続けることはできると思います。