ロープ登りがどうしてもできない!という方のために
ロープ登りは自重トレーニングの中でも難易度は高く、しかも非常に実践的な筋肉を鍛えることができます。
消防業務で役に立つことはもちろん他にも
武道家・レスリング選手・ボクシング・柔道選手など
格闘系の競技を行っている方も好んで行っているトレーニングです。
今回は私自身、消防士の時に実施していたトレーニング方法をご紹介いたします。
この記事の目次
【体験談】消防学校の救助訓練で自力登はんができなかった!
消防学校の初任研修の救助訓練でたくさんのロープを使った訓練を行います。
その中でロープ登はんのトレーニングを行うんですが、その訓練で私はまともにロープを登ることができませんでした。
子供の頃は登り棒が好きでよく登っており、また消防に入る前に懸垂はよく行っていたので、ロープを登りはできると思ってな
かったのでかなりショックでした。
ちなみにロープの自力登はんができた人は初任研修生約80名中5名ほどだったと思います。
みんなはじめはロープ登りはできないものなんです。
その後、初任研修中に実務研修として自分の所属する消防署で1週間勤務するのですが、そこで先輩方から何かやりたい訓練はあるかと聞かれ、ロープ登はんができないので登れるようになりたいです。
といって訓練をさせてもらいました。
ちなみにその時、50代の補佐も訓練に参加しましたが、補佐もロープ登はんができてました。
登れなかったのは私だけでした。
そこでやはり私はロープ登はんができず、先輩方からボロクソにいわれました。
まあ消防学校で登れないのが悔しかったからここで訓練したかったわけなんですが・・(⌒-⌒; )
そんな悔しい思いからも私はロープ登はんができるようになりたいと切に思うようになり、訓練に励みました。
今の消防救助技術では「自力登はん」はなく、普段の訓練でも15mの高さからロープを垂らすこともないので
とりあえず7mの高さを自力で登れるようになるためのトレーニング方法をご紹介します。
【トレーニング方法】懸垂とロープ登りは全く別だが、まずは懸垂から!
ロープ登りと懸垂はどちらも背筋系・引く力を使いますが、ロープ登りができるようになりたいと思って、懸垂ばかりしてもロープ登りをする上ではそこまで効果的ではありません。
私は懸垂連続30回以上できましたが、ロープ登りはせいぜい3mほどしか登れませんでした。
ロープ登りと懸垂は使う筋肉が少し変わってきますし、また大切なのが次にご紹介する「握り」と「ロック」になります。
まあそれでも懸垂連続20回以上はできるようにしておきましょう!
懸垂の回数を増やすコツは以下の記事を参考にしてください。
【重要】登りでは、ロープの『握り』がとても重要!
これすでに消防で訓練をしている方は先輩から言われていると思いますが、ロープ登りで大切なのは、
「ロープの握り」と「手首のロック」です。
私も先輩からロープを握る時は小指と薬指を使い、「手首でロック」する感覚がうまくつかめれば嘘のように登れるぞといわれました。
確かにその通りで7mのロープ登はんができた時は、今までの苦労が嘘のように簡単に登ることができました。
しかし、登れるようになるまではどんなに先輩から「握り」が大切だの「ロック」が大切だの言われても、理屈が分かっても
自分の体の感覚で掴むようにならなければどうしようもありません。
なのでまだロープ登はんができない方はあまり理屈に縛らすぎず、うっすらと手首や握りも意識しながらトレーニングに励みましょう!
いずれにせよ登れない時点で基礎筋力は足りていませんので。
【工夫】通常の懸垂だけでなく、ロープ懸垂をしよう!
懸垂の回数が順調に増えてきたら次のステップとしてロープ懸垂をしましょう。
やり方は簡単で、鉄棒からロープを垂らしてロープ登りの要領で懸垂をするのです。
右手を上にするバージョンと左手を上にするバージョン両方を行いましょう。
目安は10回以上でこのロープ懸垂を1日100回以上は行うと良いと思います。
この時に意識してもらいたいのが、先で述べたロープの「握り」と「ロック」です。
下手だと10回行う前に少しずつ体がずり落ちてきてしまいます。
また通常の懸垂とは違う筋肉が使われていることも意識してください。
懸垂が広背筋と上腕三頭筋を中心に使いますが、
ロープ登りでは、広背筋はもちろん上腕二頭筋と腹筋、全身を使います。
この時、先に紹介した「小指の握り」と「手首の握り」ができないと前腕を中心に他の筋肉に無駄な緊張が生まれますので、余計な消耗をしてしまします。
このロープ懸垂で少しでもどの筋肉に効いているのか、また今自分に足りない体の使い方などを認識してください。
逆にこれらがうまくかみ合うと嘘のように登はんができるようになります。
私の場合はとりわけ「握り」が本当にダメでした。コツを掴むのに1年かかりました。
ちょいと私が言ったトレーニングとは違いますが、イメージこんな感じで。
短いロープ登りの往復を繰り返す。
自主訓練で7mの高さからロープを垂らすことは安全管理上、また訓練準備もかかるため、滅多におこなうことはできません。
なので先に紹介したロープ懸垂と並行して鉄棒から垂らしたロープを使って短い距離を上り下りするようにしてください。
この時に意識して欲しいのが降りる時です。
降りる時の方が筋肉に大きな負荷がかかりますので、
高い鉄棒で2mちょっとあると思いますので、それを仰向けで寝た状態から反動をつけずに2往復くらいできれば
だいぶ登れるようになってきてると思います。
ロープ登はんに近い施設を探す|登り棒でトレーニングをする。
先にも触れましたが、なかなか高い位置からロープを垂らして訓練することができない上、今の体育館の施設では滅多に綱登りなどできる施設がありません。
私もかなり綱登りができる施設がないか探しましたが、見つけても遠方だったりして日常的にトレーニングすることがきませんでした。
しかし、登り棒は綱登りができる施設を探すより比較的近場でも容易に見つけることができます。
私の場合は母校の小学校に登り棒がありました。
といっても平日の昼間は通常の授業がありますので、入れません。
入ると不審者扱いされます。
土日は一般の方も入れるよう開放している場所もありますので、学校の休みを狙いましょう。
私の場合は週に1度は登り棒を使ってトレーニングしようと決めて土日のどちらか非番の日にトレーニングをしに行っておりました。
ちなみに私は署で廃棄の30mのロープをもらって自宅の2階のベランダからロープを垂らして訓練してましたが、ぶっちゃけかなり危険ですので真似はしないでください。(また近所の人からかなり不審な目で見られます(⌒-⌒; ))
登り棒の有効活用方法|一番身近で自力登はんに近いトレーニング
ロープ登りと比べて比較的容易にできるのが登り棒です。
ロープと違って対象が動き回らないので、幾分か「握り」やすくなると思います。
しかし、今まで力説したように「握り」と「ロック」ができていないとやはりうまく登ることはできません。
登り棒上達のコツとしては
はじめは
- 足を使いながら登る
- 足を使わずに手だけで登る
- 降りる時も握りを意識する。(ネガティブトレーニング)
- 往復して登る。(高さはおよそ3mくらい)
のステップを経ていきます。
一生懸命トレーニングしていくとある時、急に楽に登れるようになる時がくるはずです。
そうなると急に楽しくなってきます。
学校の登り棒は高さが3m程度、7mには届きませんので、
往復して上り下りができるようになる。
さらに上のステップとして
リュックに重りを詰めた状態で登れるようにしましょう。
救助技術訓練の種目引揚救助では1番員の補助があるとはいえ、空気呼吸器を背負った状態で高さ7mまで上がらねばなりません。
10kg程度の重りを背負った状態で登り棒が登れるようになれば、おそらく7mの自力登はんはできるようになっているはずです。
というか私がそうでした。
まとめ
(名古屋大学の減災館になぜか綱があります(⌒-⌒; ))
ここまで文章にするとそんなに長くありませんが、私が消防に入署して初任研修で自力登はんができないと悔しい思いをしてから7mの自力登はんができるようになるまで1年半近くの期間がかかりました。
私は才能がない方なので時間がかかりましたが、これを読んでできないと思っている方は一生懸命努力の方向性を間違えずにトレーニングに励めば半年程度で7mの自力登はんはできるようになると思います。
これまでのまとめとして
- 逆手で懸垂連続20回以上できるようにする。(順手より上腕二頭筋に効かせることができるため)
- ロープ懸垂を左右交互に10回10セット行う。
- ロープ登りを短い距離でも行う。その際は降りる時もしっかり意識すること(ネガティブトレーニング)
- 登り棒を有効に活用する。(トレーニングできる日は限られるが、これが一番身近で実践的なトレーニングになります。)
- さらならパワーアップとして
- 重り懸垂を行う。(10〜40kg程度)
- 10kg程度重りをつけた状態で登り棒をする。
ここまでできるようにトレーニングをしておけば、7mの自力登はんは楽勝で登れるようになっていることでしょう!
さらにロープ登りのコツとして
- ロープの握り:小指と薬指
- 手首のロック
- 登はんで必要な全身の連動する感覚
これらのコツを掴めば7m程度の自力登はんなら何回やっても楽勝と思えるようになっていることでしょう。
やっぱり自力でロープ登りができるとかっこいいです!!
頑張ってトレーニングに励んでください!!
松本人志の腕力がすごい!
50を過ぎてもさらに筋肉は肥大できる素晴らしい例です。言い訳できませんね〜!!